子どもと参加した地域のフリマ、見つけた地域のぬくもり
身近なきっかけから一歩踏み出した地域のフリーマーケット
子どもが成長するにつれて、サイズアウトした服やおもちゃが驚くほど増えていきました。捨てるのはもったいないと感じつつ、なかなか整理が進まない日々でした。そんな折、地域の回覧板で「春のフリーマーケット開催」のお知らせを目にしたのです。
以前からフリマには興味がありましたが、出店するとなると準備が大変そうだと二の足を踏んでいました。しかし、今回は地域の会館が会場ということで、身近で気軽に参加できるのではないかという気持ちになりました。また、子どもと一緒に不用品を整理する良い機会になるかもしれないとも考え、思い切って申し込んでみることにしたのです。
物と人が行き交う賑やかな空間
初めての出店準備は、子どもと一緒に「これはもう使わないかな?」「誰かが使ってくれたら嬉しいね」と相談しながら進めました。子どもも自分の使っていたおもちゃが並ぶのを見て、どこか誇らしげな様子でした。
当日、会場に到着すると、想像以上の賑わいに驚きました。たくさんの人が笑顔で品定めをし、あちらこちらで楽しそうな声が聞こえてきます。私たちのブースにも、小さなお子さんを連れた方や、地域にお住まいと思われるご年配の方など、様々な方が立ち寄ってくださいました。
交流の中で感じた地域の温かさ
物の受け渡しだけでなく、立ち止まって話をしてくださる方も多くいらっしゃいました。「これ、うちの子も昔大好きでしたよ」「このサイズ、うちの子にちょうどいいわ」といった、子育てに関する共感の声や、地域の情報などを気さくに教えてくださる方もいました。
特に印象的だったのは、子ども同士の自然な触れ合いです。私たちのブースに興味を持った子が、我が子に話しかけ、おもちゃの遊び方について楽しそうに交流する姿が見られました。こうした何気ない瞬間の中に、地域の温かさや、ゆるやかなつながりを感じることができたのです。
また、他の出店者の方々との交流も、新たな発見でした。趣味で手作りの品を販売している方、自宅で採れた野菜を並べる方など、それぞれの形で地域と関わっている方々の話を聞くことができ、地域の多様な活動の一端に触れることができました。
物を循環させる喜びと地域との新しい接点
フリマへの参加は、単に不用品を片付けるという実利的な目的だけでなく、物を必要としている人に譲るという「物の循環」を体感する機会となりました。そして何より、地域の様々な人々と直接触れ合うことで、普段は気づかない地域の活気や温かさを肌で感じることができた貴重な体験でした。
子どもにとっても、自分が使っていた物が次の人に大切に使われること、そして知らない人とコミュニケーションをとることの大切さを学ぶ良い機会になったようです。
仕事と子育てに追われる中で、地域との関わりを持つことは難しいと感じていましたが、今回のフリーマーケット参加は、無理なく楽しみながら地域とつながる、身近な一歩となりました。地域のイベントに参加してみることで、回覧板や学校からのお知らせだけでは分からない、生きた地域の声や温かさに触れることができるのだと感じています。